【DXコラム】まんが:IT流行の10年周期説(アプリ戦国時代)

10年ごとにアレはやってくる・・・

IT業界にはまるで潮の満ち引きのように「10年周期の流行」があります。戦国時代が始まって、最後に「三強」くらいが残り淘汰される。まるで三国志のよう・・。
これはワタシ自身幸か不幸か2005年・2015年・2025年の三つの波をリアルに経験してきて強く実感していることです。

2005年前後:着メロ・着うた戦国時代

2005年前後。
着うた・着メロ戦国時代・全盛期。

ワタシはその時音楽配信のディレクターをしていました。
あの頃は、ほとんどの人がガラケーでまだ音楽もMP3プレーヤーかiPodで聴く時代でしたでしょうか?

そこへ「ケータイで聴ける(というか鳴る?)音楽系のサービスが雨後のタケノコのように乱立し、「携帯で45秒の音を売る」というだけで資金調達ができる時代でした。
しかし、結局はキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)の手のひらの上で踊っただけで、ほとんどの会社が数年で消えていきました。

儲かったのは、コンテンツを提供していた会社ではなく、通信のインフラ側だったということは言うまでもないでしょう。

2015年前後:ポチゲー戦国時代

2015年前後。
スマホゲーム、いわゆる“ポチゲー戦国時代”。

その時のワタシはスマホゲームのディレクター・プロデューサーとして元旦からアラートで呼ばれる生活だったような気がします!
新興ポチゲー会社が次々と参入し、広告費を積んでコラボイベントを乱発しアプリランキングの1位を争っていましたが、
実際に利益を持っていったのはごく少数。

当時のAppランキングのほとんどがゲームというまだ、日本市場、北米市場くらいしかなかった頃でしたね。
ゲーム売上の9割は上位1%のヘビーユーザー達がガチャをブン回して「札束でユーザー同士がたたき合う」という比喩もあったくらい不思議な時。
一部の大手アプリ会社やIPを所有しているメーカーは今も洗練されていますが、その他の新興アプリ会社は淘汰されて

最終的に儲けたのはアプリ制作会社ではなく、
30%の「Apple税」「Google税」が自動的に入ってくる、つまり「プラットフォーム側(インフラ)」 でした。

2025年~:AIアプリ戦国時代(API連携)

そして2025年。今の時代。
気づけばあっという間にAIアプリ乱立。

アプリを起動し、UIやブランドは違って見えても裏側で動いているのは GPT や Gemini、Claudeといった
世界数社の巨大AIモデルなんです。

どんな企業がAIアプリを作っても、以下の蓄積データから資金やら・・・

  • モデルの計算
  • GPU
  • 学習
  • 推論
  • 電気代
  • クラウド利用料

これらは全てがインフラ提供者に支払われる運命である・・・。
「あれ~なんかこのアプリって似ているよね」と特に制作スピードの速いアジア系のアプリには思うことがあるでしょう。
しかも、翻訳も今はAIでできてしまうので、ローカライズも簡単で、海外の会社が日本に参入してくるのも、ポチゲー時代には考えられなかったでしょう。

つまり10年周期で見れば、

表側で「アプリの戦国時代」が起きるが、
最後に利益を総取りするのは常にインフラ側

という構造が続いています。面白いことに、だいたい10年周期なんですよね・・。
今回はさすがに「AIガワアプリのプロデューサー」ではないですよ!

アプリ会社は常に何かを作り続けなければならないSaga

ここまで「ITの10年周期」や「インフラ側が最終的に勝つ構造」を書いてきましたが、
決してワタシは(自分も作ったことのある)ガワアプリを否定しているわけではありません。
むしろ、どんな時代であっても世の中には必ず「つくる側」が必要なんです。
音楽アプリが栄えたときも、スマホゲームの全盛期も、AIアプリが乱立している今も、
制作会社は常に 「作り続けなければならない宿命を背負っています。(会社存続のために!!!)

ただし、特に中小企業の経営者の皆さんがユーザー企業として重要なのは、
「そのアプリは本当に費用対効果があるのか?」を冷静に見定める「目」です。

アプリの世界は、いつ何が淘汰されるかわからない戦国時代。
せっかくお金をかけて作っても、数年後には消えている可能性すらあります。
(最近のゲームアプリは1年未満にサービス終了当たり前)
その一方で、インフラ側だけが着実に利益を積み上げていくのは20年前から何も変わっていません。
この構造を理解したうえで投資判断ができる企業が次の10年で圧倒的に強くなります。
「流行っているから導入する」ではなく、自社にとって本当に価値があるのかを判断できるか。

この“判断する力”こそ、AI時代を生き抜くための最大の武器です。

そして、この見極める力を養うプロセスそのものが、
変化の激しい時代で取り残されないための「AI筋力トレーニング」になります。
技術は進化し続け、AIは毎月のようにアップデートされ、
新しいサービスが次々と出ては消えていく。
そんなスピードの世界で大切なのは

AIと対話し自分の頭で考え、判断し、選択できる企業体質。

AIアプリを導入するかしないかが重要なのではなく、
「なぜそれを導入するのか」
「どんな成果を得たいのか」
「どこに依存し、どこを自力で持つのか」

を理解して決めることが、企業の未来を左右します。

ガワアプリでも、自作アプリでも、アウトソースでも構いません。
大切なのは、その選択に自分たちの意思と戦略があることです。

なので、APIに連携する前に、GPTでもGEMINIでも何でもいいです!おおもとのエンジンと「AIの魂入れ」(超対話)をしてみましょう!

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