― SYNAPSE CITY 制作から見えてきた、これからのAI時代の本質 ―
2026年5月18日。
サイバーパンクMV『SYNAPSE CITY』のフルバージョンをSUNOmusicとYouTubeへ公開しました。
今回の作品は、単なる「AIで作ったMV」ではありません。
むしろ制作を進める中で強く感じたのは、
「AIを使ったかどうか」より、 「AIで何を表現するか?」
という時代へ、一気に移行し始めているということでした。
すべての始まりは、2000年の古い歌詞データだった
今回の『SYNAPSE CITY』の原型は、実は2000年にDAJI(私の芸名という噂も)が書いていた未発表歌詞でした。
タイトルは『シナプスのいたずら』(原題)。
20年以上前、まだSNSもスマホも存在感が薄かった時代に書かれた歌詞です。
ところが2026年5月。 古いPCデータを整理していたところ、そのテキストデータが偶然出てきました。
読み返してみると、そこには不思議な違和感がありました。
「行けたら行くね」 「考えとくよ」 「あとで見るよ」
曖昧な言葉。 通知。 距離感。
2000年当時は「ネット掲示板」や「初期ガラケーのSMS通知」くらいでしたが、そういうセリフは結構あったと思います。
しかも、今読み返すと、2026年のSNS社会を予言していたようにも見えたのです。
そこでGPTとの壁打ちを開始しました。
「もしこれを2026年の世界として再構築するとしたら?」 「SNSとAIに埋め尽くされた都市だったら?」 「“本当”を探す主人公がいたら?」
そこから世界観が一気に広がっていきました。
2026年5月13日、最初に楽曲だけが公開されました
まず最初に完成したのは楽曲でした。
2026年5月13日。
SUNOを使って過去の歌詞をChatGPT5.5に壁打ちをしてブラッシュアップでできた再構築歌詞『SYNAPSE CITY』の音楽が生成・公開されました。
ここで重要だったのは、「AIに全部任せる」ことではなく、GPTとのブラッシュアップ壁打ちによって
どんな感情を出すのか
どんな都市を描くのか
どんな孤独を鳴らすのか
を、人間側がかなり細かく設計していたことです。
特に今は・・・
SNS依存
通知疲れ
偶像化された人格
フォロワー社会
「本当」が分からなくなる世界
をテーマとしてGPTとの壁打ちの中で大きく組み込んでみました。
そして「黒シーナ」が生まれた

楽曲制作と並行して、MV用の世界観設計も開始しました。
そこで登場したのが、主人公「シーナ」です。(シナプスだからシーナって…)
黒ツインテール。 青紫に光る瞳。 4台のスマホを同時に持つ、ゴシックサイバーな少女。初稿ではアニメっぽくなりすぎたため、「怖さ」が必要と壁打ちしながら考えました。そこでビジュアルはあえて「いかにもAIっぽいよね」という3Dアニメ風に変更。
一方、都市の巨大広告に映るのは、純白のデジタルアイドル『ELECTA』(エレクタ)。
誰からも愛される偶像。 しかし、その裏側には孤独な黒シーナが存在している。
この構造自体が、現代SNS社会の象徴でもありました。
壁打ちしたメモリをもとに「今までの話でキャラ設定して」とGPT5.5に話しかけただけでこのキャラ設定資料集が1分程度で出てくるほうが驚きです。

AI対話で各シーンのプロットなどを作成

歌詞をもとにMV制作するのは当然ですが、それだけですと世界観が広がっていかないため、最近アップデートで「静止画の」生成が飛躍的に向上したGPT5.5に各シーンの詳細や構図を「一緒に会話しながら」進めつつ、プロット(下書きのようなもの)を作っていきます。大体まとまってきて、ここから50~60枚くらい静止画を生成しました。
Veo3.1で動画生成
元画像の精度が高いと、動画の生成も向上する。
GPT5.5(Images2.0)のアップデートがあったからこそ45秒動画は3時間で制作、フル動画は5日間(Veoの生成制限のため日数だけがかかりました)
Veo(Geminiの動画生成)やFirefly(Adobeの生成)に食べさせる画像の質が高精細であればあるほど、シンプルなプロンプトで思い通りの生成ができる確率が高くなります。AIはやっぱり「動画ガチャ」的な側面はありますが、それでも以前より「変な動画」が出てくる確率が減ったような気がします。
最後のつなぎは本当はClaudeエージェントに「Premiere pro操作して!」とやろうと試みましたが、さすがにここは初っ端から無理でした。(いつかはできそうですが)
なので、最終のカット割りは自力で・・・。
あと、日本語の歌なので、英語圏のリスナー向けにGPTで「意訳版」を作ってもらい小さく字幕としました。

わずか5日でフルMVが完成
そして5月18日。最初の楽曲公開から、わずか5日。
『SYNAPSE CITY』フルMVが完成しました。
今回の制作では、
歌詞制作:2000年の「シナプスのいたずら」をもとにChatGPT5.5で壁打ちブラッシュアップ
楽曲生成:その歌詞をSUNO(5.5)に読ませて生成
イラスト生成:GPT-5.5
映像生成:Veo3.1(一部Firefly)
世界観設計・プロンプト設計・カット割編集:DAJI(ワタシ)
という形で制作が進みました。
ただ、ここで重要なのは、 「AIが勝手に作品を作った」のではないという点です。
AIはあくまでクリエイターの増幅器。
頭の中にあった世界。 感情。 映像。 空気感。
それらを高速で可視化・聴覚化するための存在といえます。
「AIで作ったか?」という議論は、たぶん消えていく
最近、AIについての議論を見ていると、
といった話題をよく見かけます。もちろん、AI生成作品は広まっていますが、今はまだ過渡期です。それに商用利用となると法整備もまだまだです。
しかし、おそらく数年後には、
という議論自体が、意味を持たなくなっていく流れが必然な予感がします。
なぜなら、AIは今後、スマホや検索エンジンやLINEのように、生活の中の当たり前のインフラになって知らない間に「議論している人」自体が使っていくからです。
そのとき見られるのは、
世界観・感情・ストーリー・企画設計・演出・コンセプト
といった、「人間側の想像力」が更に重要になっていくことかもしれません。
これは仕事でもまったく同じ
そして、この話はクリエイティブだけではありません。企業のDXやAI導入でも、同じことが起きています。
AIツール比較
効率化
時短
SaaS導入
など、ハード寄りの話が非常に増えています。
Youtubeなどを見ていると広告動画で「もうChatGPTはオワコンです!Claudeです!」と言い切っちゃってる動画が流れているその日にGPTの大幅アップデートが行われるというくらい各社それぞれで「良い悪い」が議論ではないんです。どのツールでもよくて、本当に大事なのはその先で
AIとの対話力
発想力
問題設定力
情報整理力
世界観設計力
社内での活用文化
の部分が重要。
よく中小企業の年配の経営者の方が「よその会社もAIを導入したからウチの入れるぞ!」というセリフを耳にしたことはないでしょうか?
AIは導入しただけでは機能しません。「AIを入れることが目的」になるとDXすら進まなくなります。
むしろ、「AIをどう考え、どう使うか?」を設計できる組織だけが、AIを武器にできます。
AIは、人間の想像力を増幅する
今回『SYNAPSE CITY』を制作して、改めて感じたのは、
AIは人間の代わりではなく、
「人間の想像力を増幅する存在」
になり始めている、ということでした。
だからこれからの時代は、「AIを使える人」ではなく、
「AIを使って何を見せたいのか?」
を持っている人が強くなっていくのかもしれません。
社長に「ウチもとりあえずAI入れろ!」と言われたら・・・
職場計画では、AIツール導入だけではなく、 「AIをどう使いこなし、社内で活かしていくか?」という運用・教育・実践部分も含めたDX支援を行っています。
こういったデザインや音楽、動画など弊社でも制作していますが、実は「皆さんの社内で作れてしまう環境」を構築するほうが嬉しいんです!
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