約1か月で3本のMVを制作・配信しました!
本日6/20、YouTubeとSUNOに「THE AKASHIC CHILDREN(アカシック・チルドレン)」を公開しました。「CITYシリーズ」3作目のAI生成ミュージックビデオです。
サイバーパンクな世界であやしさが満載です!
SUNOでのアレンジ(音楽のみ)はここ
アカシック・チルドレンのテーマは?

バーチャルアイドルELECTAは、ただ歌う存在なのか、それとも記憶を見守る”何か”なのか。アカシックの海から語られる、ELECTA視点のサイバーパンク・ストーリー。
「THE AKASHIC CHILDREN」は、ワタシが作っているAI-MVシリーズ「SYNAPSE CITY」の第3章です。1作目「SYNAPSE CITY」、2作目「DATA CITY」に続く物語で、3話目にあたります。
前作「DATA CITY」でデータとなり消えた父は、どこへ行ったのか。そして、どこに再び現れるのか?というのが今作のテーマです。
MVの中にはいくつか仕掛けがあります。
- スマホを手放せないDATA CITYの市民たち
- 亡くなった(データになった?)お父さんを持つ母娘
- その魂を受け継いで生まれた赤ちゃんとの「気づかない再会」
- ショッピングモールの大画面でELECTAがひっそり祝福しているのに、誰も気づいていない
今回初めてやったこと
過去2作は、プロンプトの構成やストーリー設計をGPTやGeminiをメインに使って作っていました。
今回は Claude Code(VSCode上で動くClaude)をワークフローの中心に据えてみました。これが想定以上によかったので、ちょっと制作の舞台裏を書いておきますね。
Claude Code中心で作ってみた動画制作フロー
キャラクター設定資料・参照画像の生成
物語全体の壁打ち
歌詞の添削・修正
歌詞からシーン構成・画像生成プロンプトの作成
②のプロンプトで静止画を生成(エージェントに任せてもアリ)
生成画像のOK/NGは今回はまだ人間が確認しました。
画像を読み込んで動画用プロンプトを作成
プロンプトをスプレッドシートなどに自動でシーンを記載しつつ追記
動画生成
ClaudeでつくったプロンプトがすべてOKとは限りません。
・なぜかポリシー違反扱いになって生成されない
・プロンプトが長すぎてエラーになる
・動画生成アプリによっていろいろ基準が違う
楽曲のAIアレンジ
ある程度楽曲は最初の作業ですが、アレンジをちょっと変えよう、という場合は動画に合うアレンジを選定します。
編集・書き出し(ここだけ人間が手でやる)
ホントはここを最もAIにやってみてほしいところなんですが・・・まだかな~
フィードバック再生しながら確認・修正を繰り返す。
Claudeに担当してもらったのは主に②と④。
「この歌詞の感情に合わせて、このシーンを設計して」と投げると、物語の文脈を理解した上でプロンプトを組んでくれます。しかも画像を貼り付けると「この構図ならカメラはこう動かした方がいい」「この表情のシーンならキャラクターが崩れにくい設定にすべき」という判断まで含めて返してくれます。
設定が変わると設定ファイルを上書きしてくれるので、単なるプロンプト生成ツールではなく、この作品で何を表現したいかを理解した上で提案してくれる共同作業者、という感覚でした。プロンプトもスプレッドシートにどんどん書き込んでくれるので、GPTのように過去をスクロールして探さなくても大丈夫。
Google Veoでは「赤ちゃんっぽい人」は生成できない!
一番苦労したシーン
正直に言うと、かなり詰まった場面がありました。
このMVで最も感情的に重要なシーン—「とある赤ちゃんと、とある母娘(※DATA CITY参照)」ショッピングモールですれ違う場面」です。
Google Veoで動画を作ろうとすると、ことごとくポリシーエラーで弾かれました。
「Veoでは赤ちゃんが映る動画は生成できない」
という壁です。
ここでClaudeと一緒に考えた解決策が 「DATA CITY標準新生児モニタリングシステム」 という設定でした。
赤ちゃんに、透明のナノゴーグル(LEDディスプレイに「SOUL: ACTIVE」と表示)と、回路パターン入りのスマート産着を装備させる。「リアルな赤ちゃん」ではなく「SF世界のモニタリングユニットを装備した新生児」として画像を作り直す、という作戦です。
結果、Klingで生成できたので、そちらを使うことにしましたが、制約から生まれた設定が、結果的に作品の世界観を強化した のが面白かったです。「生まれた瞬間からシステムに接続される」という近未来感がナチュラルに出て、ゴーグルの「SOUL: ACTIVE」表示が物語上の意味とも直結する。想定外の豊かさになりました。
AIと人間の役割分担、実際のところは
今回やってみて前作より作業時間は結構減りました。といいますか、プロンプトで悩む時間が減ったというところでしょうか?
AIがやったこと
- 世界観の一貫性を保ちながら大量のプロンプトを高速で生成すること
- 画像を見て「この構図だとこう動かした方がいい」と即座に判断すること
- 失敗したときに原因を分析して代替案を出すこと
- 90本の動画素材を管理しながら物語全体を把握し続けること
人間(ワタシ)がやったこと
- 物語のコアにある感情を決めること
- 「このシーンが重要だ」という判断をすること
- 最終的な編集と音楽のEQ・ダイナミクス処理
- 「それじゃない」と言うこと
設定資料(GPT)は最初にClaudeに読ませました。

世界観のたたき台が秒速で完成!
これは動画制作に入る前に「DATA CITY」の物語の続きの話であることをAIに伝えて、どういう作品になっていくのかを数時間対話して、ひとまず出てきた草案(にしてはすごい!ネタバレもあるじゃないか!)
勝手にNPCに名前がついていたり、赤ちゃんが誕生する両親の設定は新規キャラに変更したのはありますが、だいたいこの設定どおりに動画が完成したと思いますよ!
そして、今回のMVはELACTAが主人公になる過去作品に比べて壮大でかつ結構ハッピーな物語かもしれませんね。
あれ?設定資料に重要人物がいないのはなぜ?
黒シーナ(SHEENA BLACK)はどこへ?

Claude Codeに任せて助かったことは…
最後に、ワタシが実際に感じた「任せてよかったこと」と「そこはまだ人間だよね」を整理しておきますね!
同じようなことを試みようとしている方の参考になれば嬉しいです。
よかったこと①:「文脈を忘れない」
今回のMVは登場人物が複数いて、シリーズをまたぐ伏線があって、瞳の発光色が作品ごとに意味を持っていてなどなど、という設定が積み重なっています。
1つのセッションの中で「あの設定と矛盾してないか」「このキャラクターの前回の扱いはどうだったか」を人間がすべて追いかけながらプロンプトを手書きや毎回音声でしゃべるのは、ぶれるし正直しんどい作業です。
ClaudeはGPTとは違う「整理能力」。90本の動画素材を作る間、世界観のルールをずっと保持したまま物語を読んでシーンの提案を出し続けてくれました。これはやってみてよかったです。
よかったこと②:「画像を読んで判断してくれる」
「Claudeで生成したプロンプトでGPT画像生成したら、こんな画像になりました」と貼り付けると、「この構図ならカメラはこう動かした方がいい」「この角度ならキャラクターが崩れにくい」と即座に判断が返ってきます。
プロンプトを「書く」だけじゃなくて、結果を見て「調整する」ところまで一緒にやれる。この往復が爆速でしたよ!
よかったこと③:「言いたいことを言語化してくれる」
これが一番意外でした。
ワタシが「なんとなくこういう感じにしたい」と話していると、「つまりこういうことですよね」と返ってくる。しかもそれが、ワタシが頭の中で思っていたことを言語化して整理してくれました。更新ファイルが充実して「育ってくる」とかなりClaude Codeは強い味方です。
「エージェントに全部やらせればいいんじゃ?」について
正直、そういう意見もわかります。
でも今のところ、「エージェントが全部できる」というより「人間の判断を爆速でサポートしてくれる」という感覚が近いですね。エージェントに全部任せて作ったら、朝起きて「コレじゃない、作り直すか」となることが予想されるので、一回どこかで実験してみますが、今回はまだな気がしました。
Claudeはプロンプトを作ってくれますが、 動画が出てきたとき「これじゃない」と言えるのは人間だけです。 「このシーンがこのMVにとって重要だ」という判断は、最終的にワタシがしています。
これが「これからはどんどん変わるんだろうな」とも思っています。エージェントが自律的にツールを操作して、結果を評価して、修正まで回せるようになれば、また話は変わってくるでしょうね!
今はまだ、人間がハンドルを握りながら、Claudeがナビゲーターをしているという状態です。
それだとしても十分、速くなりました!速いだけでなく、クリエイターの描きたいものが出しやすくなりました。そしてそれだけで、作れるものの完成度がかなり変わったのかもしれませんね!



