AIの好物はあなたのデータ(経験値)
まずはいつもの登場人物紹介!

AIは若い人が得意?
「若い人ほどAIを使いこなす」と思っていたのに、実際にはベテラン社員の方がAIを面白がって使っている。
そんな相談を受けたケイコちゃんと部長は、マルマル商事を訪問することになりました。
AIを使いこなすために、本当に必要なものとは何なのでしょうか。

今回の相談は意外でした。
AIを積極的に使っているのは、若手社員ではなく、50歳の氷河樹営業部長。パソコンに慣れているだけでなく、AIを使うと仕事の進め方が変わることを面白がっています。
一方、新卒社員たちはAIに興味がないわけではありません。使ってよいとは言われているものの、何に使えばよいのか、どう質問すればよいのかを教わっていないのです。
AIにハマる営業部長

氷河樹営業部長は、AIを特別な技術としてではなく、仕事の相棒として楽しんでいます。
しかし、使ったことのない人にとっては、AIは便利そうであるほど、かえって近寄りにくいものです。
「使ってみて」と言うだけでは、AI活用は広がりません。どの業務で、どんな目的で、どのように使うのか。最初の一歩を具体的に示す必要があります。
若いから使える?

スマートフォンやSNSに慣れていることと、仕事でAIを使えることは同じではありません。
仕事でAIを使うには、業務の目的を理解し、必要な情報を整理し、AIに伝える力が必要です。
若手社員に「若いから使えるよね」と期待するだけでは、プレッシャーを与えてしまいます。必要なのは、年齢への期待ではなく、具体的な使い方の支援です。
AIの前で固まる新人

新人がAIを使えない理由は、意欲がないからとは限りません。
仕事の完成形をまだ知らない新人にとっては、AIの回答が正しいかどうかを判断すること自体が難しいのです。
しかも、間違った使い方をして怒られるのではないかという不安もあります。AI導入の初期には、ツールの説明だけでなく、具体的な業務例と相談できる相手が必要です。
先輩にきいてみた・・。

綺麗に仕上げることがゴールではない

AIは、見た目の整った文章や資料を短時間で作ってくれます。
ただし、整っていることと、正しいことは別です。
氷河樹営業部長が問題に気づけたのは、今までの営業経験の多さからそのお客様との過去のやり取りや、以前のトラブルを知っていたからでした。
AIが作った答えを評価するためには、現場の事情を知る人の視点が欠かせません。
経験値という名のデータ

ここでいう「データ」は、NotebookLMの中のPDFや表計算の数字だけではありません。
過去のお客様との会話、失敗した提案、うまくいった工夫、現場で感じた違和感。そうした経験の積み重ねも、AIの答えを評価するための重要なデータになります。
AIは一般的な答えを出すことができます。しかし、自社やお客様にとって本当に適切かどうかを判断するには、その仕事を知るベテランの経験値が必要です。
AIを使いながら経験を積む

AI導入と人材育成は、別々に考える必要はありません。
新人にAIを使わせないのではなく、AIの回答を一緒に確認しながら、仕事の考え方を教える。これなら、作業の効率化と経験の蓄積を両立できます。
大切なのは、AIに丸投げすることではありません。AIを題材にして、なぜその答えを選ぶのかを考えることです。
AIの好物はあなたのデータ

AIは、誰にでも答えを出してくれます。
しかし、その答えを仕事で活かせるかどうかは、使う人の経験や判断力によって変わります。
経験のある人は、AIの答えの良し悪しを見抜き、より良い方向へ修正できます。経験の少ない人も、AIを使いながら先輩に教わることで、少しずつ判断力を身につけられます。
AIは経験の代わりにはなりません。経験を何倍にも活かす相棒にはなれますよ!
AI時代に新卒採用をやめていませんか?
AIによって、定型的な作業はこれからますます効率化されていくでしょう。
その一方で、若手社員が経験を積むための仕事まで、すべてAIに任せてしまうと、将来のベテランが育たなくなる可能性があります。
企業に必要なのは、「新人の仕事をAIに置き換えること」だけではありません。
AIを使いながら、若手が考え、失敗し、判断し、経験値を増やせる環境をつくることです。
AIの好物はあなたのデータ。
そのデータとは、仕事で積み重ねてきた経験、失敗、成功、工夫、そして判断力なのです。
AIで生産性を上げたい企業様へ
AIによって、これまで新人が担当していた仕事を効率化できるようになりました。
同時にその先にある問いにも向き合う必要があります。
新人の仕事をAIに任せることはできても、新人が経験を積み将来のベテランへ成長する過程まで、AIに任せることはできません。
採用を減らす前に、AIを使いながら若手が学べる仕事を設計できないか。先輩の経験を、若手へ引き継ぐ仕組みをつくれないか。
